映画『クローズEXPLODE』の感想と評価

評価: ☆☆☆☆☆ ←0点と言うこと。

一言で言えば、半世紀前の子供のケンカを描いたレトロ・バイオレンス・ファンタジー作品です。しかし、設定は「現代」なので、その時代錯誤的なギャップが笑いを誘うコメディー的側面があります。

とは言え、きっと、この作品は笑って見てはいけないことになっているに違いない作品なので、笑いをこらえながら、最後まで見続けようとがんばりました。でも、やっぱり無理・・・(笑)。拷問ですね。こらえきれず、思わず吹き出す場面が所々出てきました。設定が半世紀前なら、真剣に見ることができるのですが、さすがに半世紀前の世界を現代に持ってくると、いろいろ無理があるのです。

すだれ・・・。懐かしいですね。壁にスプレーで落書きとか(笑)。半世紀前の新装開店風景とか。ここには、古き良き大昔の日本の姿が・・・(笑)。こんなの老人しか理解できません。

そうか、プロデューサーが山本又一朗氏だったのか。老人のファンタジーを描きたかったのでしょうね。そう言う視点でこの作品を見ないと、この作品の本当の意味は決して分からないに違いありません。人間、いくつになっても、夢を見るのは楽しいことです。

いずれにせよ、今となっては人間国宝に指定されても不思議はない、不思議な格好の子供たちが、繰り広げるケンカ、それを今時の映画の技術ですごいアクションシーンに仕立て上げています。だから、内容は馬鹿馬鹿しくても、ちゃんとおもしろがらないと、売れていない無名の監督や山本又一郎氏に失礼です。

山本又一郎氏は、「センスがない」とか、「時代遅れ」だとかいうわけではないと思います。「みなさん、懐かしいでしょう。僕たち老人が若い頃には、こんな日本があったんですよ。ちんぴらの手先になって、ケンカで底辺からはい上がろうとする子供とか・・・」というメッセージを、笑いを交えながら、スクリーンを通して伝える。これが山本又一郎氏の考えであるに違いありません。「おー!すごいアクション!おー!おー!おー!」と馬鹿のように感動し、映画が終わったら、にやりと笑う、それがこの映画の正しい鑑賞の仕方だと思います。

映画の終わりに、「未成年者の飲酒や喫煙は禁止されている」とか「自動二輪車に乗るときはヘルメットをかぶる義務がある」とか言う内容の注意書きが出ていましたが、笑ってはいけないと、思ってはいても、さすがにこれには笑えました。だから、最後まで見ないと、この映画の真のおもしろさは分からないと思います。

もっとも、映画のはじめに紹介される「鈴蘭男子高校」とか言うやたらキュートでかわいい学校名が私のハートを捉えて離さなかったのは事実です。その後に、笑えるヘアースタイルの子供たちが次々に出てきて、もう死にそうでした。

でも、この映画、もう二度と見ないでしょうね。

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