『君の膵臓をたべたい』がつまらないと思った人

私には驚きですが、『君の膵臓をたべたい』がつまらないと思った人もいるようです。

薄くて浅い。

個人的には、ペラペラな内容にしか感じられなかった。

誰とでも仲良くなれる無邪気な女の子に学年一の根暗な男の子が翻弄されて淡い恋心を抱くなんて、いかにも少女漫画や妄想のお話のようで全く共感ができなかった。

男性にはあのような女の子が可愛くみえるのかもしれないが、同性の目から見てしまうと、ただの我が儘で空気の全く読めない自分勝手な女の子にしか見えない。

その他、狂気的過ぎる親友や元カレなどバリエーション豊富で違和感満載のキャラクター達による違和感満載の青春ラブストーリーに、病気と余命という誰もが泣ける要素を足して完成されたような薄い内容に途中何度か苦笑いしてしまった。

そして、彼女が亡くなるシーン。
あぁ、ここだなと何となく察する。
しかし、急に倒れるにしては元気すぎる…。
どうなるのだろうと思っていたら…
いきなり殺人事件ですか(笑)
ある意味どんでん返し的な意味合いだったのかもしれないが、普通に考えて無理がありすぎるでしょう。
周囲が鼻をすすり始める頃、一体どこのシーンに感情移入して泣けるのか驚きで益々白けてしまった。

あと、この独特なタイトル。
何か深い意味やメッセージがあって最後の最後にようやくこのタイトルに納得する事ができるのだとばかり思っていたが、意味は途中ですぐに明かされる。
そして、まさかの誰もが思い付くような浅さ。拍子抜け。そして、この浅過ぎるタイトルをどうだ!と言わんばかりに物語の締めにされても…。

何だか随分前に流行った安いケータイ小説を映画化したような印象で完全に騙されたと思ったが、ケータイ小説というのは事実だったのだと観賞後に知った。

原作を読んでいないので、著者を批判したいわけではない。もしかすると素晴らしい原作なのに映画の短い時間の中に詰め込んだ結果、大切な感情表現を削ってしまい内容が薄っぺらになってしまったパターンだったのかも知れない。

この薄さと浅さの原因は一体誰にあったのか、きちんと原作を読んだ上で突き止めたくなるようなそんな感覚しか残らない。

感想は個人の自由だが、レビューを見ると
まさかと思うほど評判がいい。
しかしこの作品を観て、きっと私と同じ様な感想を持つ人がいるはずだと信じてこのレビューを投稿する。

引用元:薄くて浅い。(Yahoo!映画)

こんな風に思ってしまう原因の一つは、友人や身内の死にあまり見舞われたことのない人生を送ってきたからかもしれません。

まず、恐らく、この方は、あらすじだけを追っていた可能性が高いです。この作品を理解するには、第一にヒロインの桜良(さくら)の表情を理解することが要です。この人は自分の思っていることをかなり隠しています。しかし、ふとしたことでそれが表情に出ます。それを見つけないとだめです。適切な表情を上手に作っていて、私はずいぶんがんばって演技しているなと感心しました。いったい何回撮り直ししたのでしょうね(笑)。

学校の屋上に立つ桜良
桜良の表情をよく観察することが大切

「いきなり殺人事件ですか(笑)」と言いますが、実は、最初のところで伏線が入っています。桜良は、自分がいつ何時殺人事件に巻き込まれて死んでも不思議はないという趣旨のことを言っています。そして、そのことをすっかり忘れていた時にその連続殺人事件に巻き込まれます。

実際の人の死に様を見るにつけ、みんな意外な死に方をするものです。個人的な話をすると、逆に、予想通りに死んだ人は、あまりいません。

癌(がん)は5年間再発しなければ、直ったとされていますが、ちょうど5年目に再発して、26歳で急に亡くなった同級生がいます。誰も予想はしていませんでした。

ある日、朝起きて新聞を見たら、友人が自殺して記事になっていました。誰も予想などしていませんでした。

他にもたくさんありますが、あらゆる努力と裏腹に、予想外の事態で人は死んでいきます。その悲しみを理解できるかどうかがこの作品を理解できるかどうかの要だと思います。

病院の桜良
桜良の表情を理解できるかどうかが鍵。だから2回以上見ないと本当は理解できません。

桜良は病気で死んだわけではありません。誰だって、いつ何時、突拍子もない事態で死んでしまうかもしれないということ。それが悲しいのはなぜなのか。それが理解できる必要があります。

そういう意味で、本作品は、むしろ、見る人の人間性が問われるような作品と言えるかもしれません。

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